『フォスフォレッセンス 』太宰治
太宰の夢の話を軸にして綴られ、フワフワとした夢心地のような作品。
夢のなかで語られる事柄は雲のような、見えているけど掴めない、そんな風に思わせる内容が多かった。それが「夢」のような雰囲気を醸し出していた。
作品内で夢の妻が質問する。
「正義ということをご存知?」
「男らしさをご存じ?」
「清潔ということをご存知?」
「愛ということをご存知?」
主人公は答えなかった。
答えなかった。という表記から答えられなかったわけではないのだろう。
僕はこの質問に答えられるだろうか。と思い、考えた。
普段、なんとなく雰囲気に沿う形で正義や男らしさ、清潔、愛という言葉を使うが、これらの言葉を深く捉えたことがなかったため、考え始めるのに時間を有した。この事柄は経験から考えていこうと思い、これからの行動でまた、再考していくつもりだ。