2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『掏摸』

中村文則の第九作品目にあたる掏摸。 この作品でもやはり主人公は深い闇を内面に湛えていた。忠実に描かれた心の闇。その闇を作品を触れることを通して実感することが出来る。 この作品は、掏摸をして得た金で生活をする主人公が、親しい仲間を通してつなが…

『砂漠』

「春」 登場人物の出会いが描かれている。新歓での西嶋の「その気になればね、砂漠に雪を降らすことだって余裕でできるんですよ」という発言はぶっ飛んでいて、壮大な言葉だった。 社会という「砂漠」の中、僕たちは乾きに乾いたのどを潤すように、休息を得…