2020-09-23から1日間の記事一覧

『饗応夫人』太宰治

「私、いや、と言えないの。」 客にぞんざいに扱われ、粉骨砕身の思いで饗応する夫人を、夫人の安息を願い、客との関わりをやめてほしいと思う女中の視点から描かれた作品。 夫人の断れない性格を逆手に取った大学の先生方の振る舞い、言動が腹立たしかった…

『朝』太宰治

遊ぶことが大好きな主人公。彼は仕事をしていても、友人が自身を訪ねて来ると遊びに出てしまう。 そんな自分を律しようと、家族にも教えていない秘密の仕事場(女の人の部屋)で仕事するのであった。 ある晩、彼はお酒を大量に飲み、帰れなくなる。そして、…

『フォスフォレッセンス 』太宰治

太宰の夢の話を軸にして綴られ、フワフワとした夢心地のような作品。 夢のなかで語られる事柄は雲のような、見えているけど掴めない、そんな風に思わせる内容が多かった。それが「夢」のような雰囲気を醸し出していた。 作品内で夢の妻が質問する。 「正義と…